シンプルとおしゃれなニュースレターの効果。
どちらが効果的でどういう業界で使い分けるべきか

ニュースレターには様々な種類があり、それぞれのお店・会社が工夫をこらしています。
デザインに凝ったものもあれば、チラシに近いものもあり、一口に「このデザインだから評価が高い」とは言い切れない部分があります。

そこで問題になるのが、シンプルなデザインとおしゃれなデザイン、どちらが効果的か、というテーマです。 塾や学校なら文字数が多くても気にならないでしょうが、弁当を売るお店なら画像がたくさんあった方が目を引くはずです。

実際のところ、発行の意図と読者の目的が一致していれば、どちらを選んでも一定の効果が期待できます。 この記事では、ニュースレターのデザインについて、シンプルなものとおしゃれなもの、それぞれのメリットや期待できる効果についてご紹介します。

ニュースレターをシンプルにするメリットと期待できる効果

まずは、文字主体でニュースレターを構成するような、比較的シンプルなデザインを採用するメリットについてお伝えします。

発行物は、一概に雑誌のようなカラフルなデザインが好まれそうですが、読み手にとっては必ずしもそうとは限らないため、誰が読むのかを意識した結果シンプルになったなら、まったく問題はありません。

文字主体の場合、読者に伝えられる情報が増える

文字に込められる情報量は豊富なので、よほど難解な文章でない限りは、読者に多くの情報を提供できます。 事象・用語・病気等の詳細な解説については、イラストが合った方が分かりやすい部分は否めないものの、やはり文字は不可欠です。

一例として、精神的な不調を説明したい場合、心は目に見えないものなので言葉の力を使ってイメージの共有が必要です。 また、学習塾で検定・試験情報を紹介する際にも、文字を使った方が多くの情報を読者に提供できます。

ただし、写真や絵の内容を文章で描写するのは、相応の文字数とそれをまとめるテクニックが要求されるため、ボリュームが限られるニュースレターでは使いどころが難しいかもしれません。 限られた紙面の中で、複数の情報を読者に伝えたい場合は、シンプルな文字主体のデザインが有効です。

写真主体の場合、何を知って欲しいのかが感覚的に分かる

シンプルなデザインとは、必ずしも文字主体のものばかりとは限りません。
不動産や家具などを紹介する場合は、写真が重要な役割を担います。

きれいな写真を撮れる・加工できる技術さえあれば、レイアウト自体がシンプルでも、読者が写真に注目します。 また、お部屋や家具の情報を文字からイメージする手間が省けるため、作り手の意図が感覚的に分かりやすいのもメリットです。

例えば、お風呂が売りのデザイナーズマンションを紹介したいなら、読者に見て欲しいアングルの写真を1枚載せるだけで、説明がほぼ完了します。 情報を絞り込むことで、かえって読者の注意を一点に集中させることができるのです。

シンプルだからこそ、細かい部分へのこだわりが必要

文章主体でいくにせよ、写真をメインに据えるにせよ、シンプルなニュースレターを選ぶ場合は「質」が大切です。 情報の濃さや新しさ・伝えたいポイントの切り取り方・フォントやフィルタの選び方など、細かい部分へのこだわりは必須です。

シンプルだからこそ、その特性を活かして読みやすさを追求することが、継続して読まれるニュースレター作りにつながります。 お店のスタッフだけでなく、読者からの意見も取り入れながら、細かい部分で日々改善を積み重ねていくことが大切です。

ニュースレターをおしゃれにするメリットと期待できる効果

ニュースレターのデザインをおしゃれにすると、シンプルなものとは違った反響が期待できます。
シンプルなニュースレターと比較して、思い切ったデザインを実現できるメリットがあるため、デザイン担当者を自社で確保できるなら挑戦したいところです。

カラフルな見た目は読者の注意を引きやすい

文字だけのニュースレターよりも、イラストや写真が豊富なカラフルな見た目のニュースレターの方が、総じて読者の注意を引きやすくなります。 一例として、クッキーのイラストを大枠に使うと、一目でお菓子屋さんのニュースレターだと分かるでしょう。

逆に、フィットネスクラブのニュースレターなら、黒を基調としたデザインで文字を白くして、ストイックな印象を与えることも可能です。 自分のお店のトーンに合ったニュースレターを作れると、読者に「このニュースレターはあのお店が出している」と認知してもらいやすいので、せっかくおしゃれなデザインに気を配るなら、自分のお店の雰囲気に合ったものを考えてみましょう。

手作り感のあるイラストやスタッフの写真があると親近感アップ

自分のお店の雰囲気を伝えるためのデザインは、必ずしもスタイリッシュ・もしくは可愛らしいものだけではありません。 紙面で「スタッフが頑張っている」雰囲気を醸し出すのも、読者との距離を近づける有効な方法の一つです。

具体的には、プロレベルではなくても味のあるイラストを描いたり、スタッフが現場で動いている写真を載せたりすると、読者に親近感を与えやすくなります。 POP担当者など、普段から短時間でデザインを手掛けているスタッフがいるなら、いくつかイラストのパターンを用意しておくのもよいでしょう。

手間がかかる分、スタッフの作業量は多く見積もっておきたい

ニュースレターの発行を、自社・自店舗のリソースでまかなう場合、どうしてもスタッフの作業量は多くなってしまいます。 そのため、残業をさせない環境作りや、他スタッフとの協力体制構築など、制作にあたっての準備は多くなる傾向にあります。

ニュースレターのために人材を確保するのは、多くの会社・お店にとって難しいと思いますので、場合によっては外注も検討しながらの判断となるでしょう。 デザインをおしゃれにするつもりなら、スタッフの負担を軽減しつつ、無理のない範囲で作り込みを考えましょう。

目的別におすすめしたいニュースレターのデザイン

ここまで、シンプルなニュースレターとおしゃれなニュースレター、それぞれのメリット等についてお伝えしてきました。 続いては、どちらの方向性でニュースレターを製作すればよいのか迷っている人向けに、目的別におすすめしたいニュースレターのデザインについてご紹介します。

知識の提供・シェアが目的なら活字主体で

読者に向けた知識の提供や、新しい情報のシェアを目的とするのであれば、活字主体のニュースレターで問題ないでしょう。 活字はイラスト・写真に比べてスペースを節約できるので、情報共有には向いている発信方法です。

ただし、医療系の知識など、一般人には難しい内容をシェアする場合は、かみ砕いた説明が必須になります。 文章そのものの分かりやすさや、読みやすいフォントの研究は怠らないように心掛けましょう。

商品情報や感想のシェアが目的なら活字とイラストを合わせる

自社・自店舗の商品情報や、それを購入してくれたお客様の感想をシェアするのであれば、活字とイラストを組み合わせてみましょう。 人物や動物の絵が難しいなら、外枠や内枠を修飾したり、カレンダーなどをデザインに取り入れたりするのもよい方法です。

難しいものを考えるのではなく、現在働いているスタッフができる範囲で取り組むのがポイントです。 継続的に発信するなら、誰かに負担が集中しないよう気を付けて、制作体制を整えましょう。

コミュニケーション主体なら写真も織り交ぜる

読者とのコミュニケーションを重視するなら、スタッフや商品の写真を増やす方向性で考えてみましょう。 イラストを一から自作する場合に比べて、作業量が少なく済む場合もあります。

ただし、写真だけに頼らないように、スタッフの顔・性格が分かるようなトーンで文章を作成することも大切なポイントです。 スタッフの雰囲気と紙面全体のトーンがマッチするような構成を考えましょう。