ニュースレターとメルマガ（メールマガジン）の違い。
似ていて混同されがちだけど実は全く別物？

ニュースレターと似ているもので、自社のファンを作る目的で活用するツールとしては、メルマガがあげられます。 一般的に、ニュースレターとメルマガは異なるものとして区分されますが、具体的にどんな違いがあるのかについては、よく分かっていない人も多いかもしれません。

媒体の違いだけでなく、発行・配信の目的にも違いがあるため、一概にどちらの方が営業面で効果があるのかを比較することはできません。 ただ、それぞれの違いを理解して使い分けることで、効果的に活用できます。

この記事では、ニュースレターとメルマガの違いについて、それぞれの特徴に触れつつ解説します。

ニュースレターとメルマガの違い

ニュースレターとメルマガは、発行媒体や配信する目的・タイミングなどに違いがあります。
以下、相違点をいくつかご紹介します。

媒体が違う

ニュースレターは、基本的に紙媒体で自社の情報を発信するためのアナログ的なツールです。
これに対してメルマガは、顧客のメールアドレスに対して定期的に配信する、自社からのメールという位置づけです。

紙に印刷するニュースレターが顧客の手に届くには、お店や会社の入口などにニュースレターを配置したり、顧客の住所に郵送したりする必要があります。 それだけに特別感があり、顧客によってはニュースレターを毎号ストックする人もいますが、毎月郵送する場合は郵送費と合わせて時間・手間がかかります。

一方で、メルマガはメールでの配信となるため、メール配信システムを利用して顧客への一斉送信が可能となります。

顧客数が多ければ多いほどたくさんの人に配信できる反面、文字が主体のため長文を書けるスタッフを用意しなければなりませんし、そもそも顧客のメールアドレスを収集するのが大変です。

目的が違う

ニュースレターは、広い意味での広告ではあるものの、いわゆる商品広告のように自社製品・サービスを大々的に宣伝するタイプの広告ではありません。

どちらかというと、お店や会社のことを、顧客にもっと知ってもらうためのツールと言えます。
そのため、ニュースレターに記載する内容は、商品やサービスを紹介というところとは少し離れたところから考える必要があります。

具体的には、スタッフの紹介・経営者の一言メッセージ・自社の環境問題に関するスタンスなど、店頭や商品広告ではなかなか伝えられないことを文章にして発信し、支持者を増やすねらいが主です。

メルマガも、ニュースレターに近い使い方をすることができ、自社のファン育成や既存ユーザーの教育を兼ねた発信に向いています。

例えば法律事務所のケースでイメージすると、最近起こった企業案件のてん末や考察について弁護士の視点から書き記すことにより、似たような悩みを抱えるクライアントに情報提供するような使い方が考えられます。

しかし、メルマガの場合は直接的な販売促進や告知にも用いられることがあり、一概に使う目的を限定することはできません。 その点で、ニュースレターとメルマガには、発行・配信の目的の部分で比較的分かりやすい違いがあります。

もちろん、トーンによってはニュースレターでも直接的な営業はできますし、メルマガでセールスのニュアンスを表に出さないのも戦略の一つです。 ただ、総じてニュースレターは情報発信中心、メルマガは直接的な販売促進も含めた幅広い使い方があると押さえておいた方がよいでしょう。

配信・送るタイミングが違う

ニュースレターとメルマガの違いとして、発行・配信のタイミングを考慮しなければならないことも、忘れてはならないポイントです。 紙面のニュースレターと、メールが媒体となるメルマガとでは、読者への情報の届きやすさが違うからです。

ニュースレターは、基本的に顧客が能動的に手に取るものです。店頭で見かけて持ち帰る場合、顧客は自分の意志でニュースレターを手に取っていますし、郵送で届いて封を切るのも顧客自身です。

その場で読んで捨ててしまう人もいるでしょうし、有益と判断してファイリングする人もいるでしょう。 ただ、いずれにせよ紙面が顧客の目に留まるためには、毎月など定期的なタイミングでの発行が求められます。

メルマガの場合も、定期的に配信するのは同様ですが、そのタイミングはよりシビアになります。
仕事中の時間に配信しても、数あるメールの一つとしてかんたんに処理され、場合によっては読まれることのないままメールが削除されてしまう可能性もあるでしょう。

よって、平日に配信するなら夜8:00～11:00までの間に配信するとか、メルマガの更新は隔週もしくは毎週にするとか、ニュースレター以上に「顧客の目に留まりやすいタイミング」を意識しなければなりません。

ニュースレターとメルマガの共通点

比較してみると違いが見つかるニュースレターとメルマガですが、顧客に情報を提供する点においては、いくつか似たような点が見つかります。 以下に、ニュースレターとメルマガの共通点についてご紹介します。

ともに「顧客（候補）」に向けて発信する

ニュースレターもメルマガも、多くの場合は顧客もしくは顧客候補に向けて、何らかの情報を発信するために発行・配信します。 情報発信の目的はお店・会社によって違いますが、送るべき相手がすでに決まっている点において共通しています。

お店で直接ニュースレターを配布しているなら、少なくとも一度は顧客がお店を訪れている必要がありますし、メルマガを送るには事前にメールアドレスを収集していなければなりません。 顧客側が何らかのアクションを起こしてくれて初めて、紙面や文章が顧客に届きます。

事前に顧客との関係性ができてから発信するため、不特定多数への配信は原則として行わない点も共通しています。 よって、いずれのツールも基本的には「お店・会社に興味を示している顧客」に対する施策であると言えます。

定期的に発行・配信することで効果を発揮する

ニュースレターもメルマガも、一度発行・配信して終わるものではなく、定期的に顧客の目に届くことで効果を発揮するツールです。 ニュースレターの場合は、イベントなどで単発の発行を行うケースも考えられますが、基本的には日・週・月ごとに情報発信を行います。

例外的に、メルマガで何らかのキャンペーンを打てば、それが売上につながるケースも考えられます。 ニュースレターにクーポンを載せておけば、そちらを使おうと考える人も出てくるかもしれません。

しかし、ニュースレター・メルマガともに、やはりリピーター・ファンにに対する情報源としての意味合いが強いツールのため、一度きりの使い方では十分な効果は期待できません。

その点において、2つのツールは共通した特徴を持っています。

自社の情報を発信する

ニュースレター・メルマガで発信する情報は、あくまでも自分のお店・会社の情報です。 一般的なニュースやトレンドだけを発信するのではなく、オリジナリティあふれる情報を紹介することが、自社の魅力を顧客に伝えることにつながります。

もちろん、読者を飽きさせないため、付録的な要素を用意することも大切です。
しかし、それがメインになってしまうことのないよう、企画・構成をきちんと作り込まなければなりません。

表現方法こそ違いますが、ニュースレター・メルマガには共通の土台があり、達成すべき目的も似たような部分があります。 ただ、なぜその媒体を使うのか明確にしておかなければ、上手に運用するのは難しいでしょう。

ニュースレターとメルマガ、使うならどっち？

もし、顧客とのコミュニケーションを重視するなら、発行する人の顔が見えるニュースレターの方が、リピーター獲得につながる可能性が高まります。

顧客がいつも通うお店・病院・美容院などで、会話のあとにニュースレターを持って帰る流れが生まれたら、そこにはある種の信頼関係が生まれていると考えてよいでしょう。

逆に、情報重視・営業のニュアンスも含めて発信したいなら、時間を選んでピンポイント配信ができるメルマガの方が便利かもしれません。 顧客数が多かったり、ニュースレターと併用したりする場合にも有効です。

理想的なのは、もちろん両方をバランスよく活用することですが、人的資源はどの会社でも限られています。 プロのニュースレター作成代行の利用を検討するなど、自社の人材以外に目を向けることが大切です。